ダートフィッシュは、スポーツ分野のみならずリハビリテーションや、教育分野など幅広いユーザー層に活用いただいています。今回は「こども園の子どもたちの遊びと保育者の援助」を撮影してフィードバックや研究を行っている方へ取材しました。映像を用いて振り返りをされている方、必見です。
こんにちは。ダートフィッシュ・ジャパンのSEOです。
今回は保育や教育の研究を行っている東京都市大学人間科学部 児童学科にきました。
岩田先生、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
現在は、こども園で行われる園内研修でダートフィッシュを活用され始めているとのことですが、導入したきっかけを教えてください。
園内研修では当日の保育を記録にとり、撮影した映像を見ながら行いますが、ダートフィッシュのタギング機能を使うと、簡単に見たい映像の頭出しができることを知ったからです。
撮影はどのように行っていますか?
美和こども園吉田龍宏理事長・園長と共同研究を行っており、園内研修でフィードバックを行うため活用しています。
美和こども園は、「遊び保育論」(小川博久)の考え方で遊び保育を実践しているので、子どもたちは保育室内の各コーナー(基本的には「製作」、「積み木」、「ままごと」の3コーナー。年中や年長では、この3つに「お店やさん」等が加わって4〜5つの遊びコーナーとなる)に群れて遊びます。この室内の遊び状況の全てを、天井に据え付けたカメラと、三脚に取り付けたビデオカメラで撮影しています。
なぜ複数台カメラを使用しているのですか?
あるコーナーの環境構成を変えると、そのコーナーの子どもたちの遊び状況が変わってくるのはもちろんなのですが、そのことによって室内の他のコーナーの遊びの様子も変わってくるのです。同様に、ある特定の場所での保育者の動きは、その周辺の子どもだけでなく、保育室全体に影響を与えます。
このように、保育者の動きや子どもたちの動きは、互いに影響を与えあっているので保育実践を捉えるには保育室全体を記録する必要があるからです。
保育者と特定の子どもの動きだけを追っていたのでは、保育実践を捉えることはできません。
撮影時間はどれくらいですか?
撮影した動画記録は約3時間分あります。
ところが、園内研修の時間は1時間半くらいしかありません。
その1時間半も映像を見ているだけではなく、映像を見ながら、話し合ったり解説したりするので、3時間の映像から特に重要な部分(40分くらい)を選びならがら見る必要があります。
けれども、当日の保育が終わってから研修が始まるまでに編集をするのはかなり手間がかかりますし、現実には、その時間はありません。
そこで、撮影中にmyDartfish Noteアプリを使って、子どものよく遊んでいる姿や保育者の良い動き、あるいは気になった場面など、後で皆で見たい場面の頭出しがすぐできるようにタグを付けるようにしています。
アプリで記録したタグの情報は、時間も保存されているので最終的に撮影した映像とリンクさせています。
こうすることで長時間撮影した映像の中から、例えば「△△△組のの子どもたちの遊ぶ姿や保育者の言動でよかった場面やちょっと気になる場面」のシーンを抜粋して即座に再生することができます。
撮影後は、どのように映像を扱っているのですか?
園内研修の場で各クラスの保育者と一緒に映像を見ながらフィードバックを行います。
導入前は、園内研修の最中に見たい映像の部分を探さなければならず、時間的なロスが多くなっていましたが、ダートフィッシュを使うことで、既にタグ付けした情報と映像がリンクし、簡単に見せたいシーンを取り出すことができて便利です。
実際に撮影しているのは愛知県にある美和こども園ですが、東京都市大学で研究を行う際はどのように映像を管理しているのですか?
長時間撮影したクラスの映像は、最終的に「ダートフィッシュtv」にアップロードして保存と管理をしています。
PCに保存するのではなく、クラウドにアップロードする形なので遠隔地でも映像の再生やダウンロード、分析ができるようになっています。
ダートフィッシュtvを導入したメリットはありますか?
園内研修は年に数回行うのですが、これまでは園内研修当日の遊びの様子しか参観することができませんでした。けれどもダートフィッシュtvによって園内研修と園内研修の間のクラスの様子などが、これまでよりも具体的にわかるようになることが期待されます。
例えば、年度当初の園内研修ではクラスの仲間から全く外れてしまっていた子どもが、その次の園内研修の日には集団の中に居場所を見つけられるようになっているようなことがあります。そのような場合、これまではその間の変化のプロセスは担任保育者の話を聞くことによってしか分からなかったのですが、ダートフィッシュtvによって、変化していく子どもの具体的な姿を映像として見ることができるようになると思います。
今後どんな方にダートフィッシュを使っていただきたいですか?
口頭や写真による振り返りだけでなく、研究者や保育者が保育室や園庭での子どもの姿を撮影し、その映像を用いながら園内研修を行うケースは増えているため、園内研修を行っている園や研究者の方は導入すると便利だと思います。
動画編集ソフトを使って映像を準備するよりも、撮影しながらスムーズに必要なシーンをピックアップすることで限られた時間内で効率よく映像を再生することができます。
最後に今後の展望を教えてください!
園内研修だけでなく、研究にどのように使えるのかいろいろ他の機能も試したいです。
まだ導入して間もないので、使い方で分からない部分があった際は相談させてください。
今後の参考にさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。今後もダートフィッシュ・ジャパンをよろしくお願いします。
【インタビュイー】
岩田 遵子(いわた じゅんこ)
東京都市大学
人間科学部 児童学科 教授
専門分野・テーマ:子ども文化論、音楽教育学、教育方法学、保育学
学会発表
岩田遵子・小川博久他『保護者の「見え」の内容理解と援助の方向における問題点 ー 新人保育者の実践映像記録の分析から、日本保育者養成教育学会第2回大会』(2018)
【参考文献】
「遊び保育論」小川 博久 著
「保育援助論」小川 博久 著
【東京都市大学 - 等々力キャンパスについて】
旧武蔵工業大学。2009年に東京都市大学へと改称された。理工学系、文理複合系学部に文系学部を加え、科学技術から生活福祉までの幅広い領域を網羅する6学部17学科体制へ。美しく持続可能な環境の創出、生活文化の向上、活力ある産業の進展を目指して、時代と社会の要請に応える教育研究体制を展開している。2019年10月に創立90周年を迎えた。都心の閑静な住宅地に位置する等々力キャンパスは、「都市フォーラム」や、実績ある子育て支援センター「ぴっぴ」などで地域と密接に連携しながら新しい都市生活と保育・幼児教育の未来を創る。
(引用:東京都市大学等々力キャンパス紹介 https://www.tcu.ac.jp/campuslife/introduction/todorokicampus/)
【東京都市大学 - 等々力キャンパスについて】
旧武蔵工業大学。2009年に東京都市大学へと改称された。理工学系、文理複合系学部に文系学部を加え、科学技術から生活福祉までの幅広い領域を網羅する6学部17学科体制へ。美しく持続可能な環境の創出、生活文化の向上、活力ある産業の進展を目指して、時代と社会の要請に応える教育研究体制を展開している。2019年10月に創立90周年を迎えた。都心の閑静な住宅地に位置する等々力キャンパスは、「都市フォーラム」や、実績ある子育て支援センター「ぴっぴ」などで地域と密接に連携しながら新しい都市生活と保育・幼児教育の未来を創る。
(引用:東京都市大学等々力キャンパス紹介 https://www.tcu.ac.jp/campuslife/introduction/todorokicampus/)
【インタビュイー】
岩田 遵子
(いわた じゅんこ)
東京都市大学
人間科学部 児童学科 教授
専門分野・テーマ:子ども文化論、音楽教育学、教育方法学、保育学
学会発表
岩田遵子・小川 博久他『保護者の「見え」の内容理解と援助の方向における問題点 ー 新人保育者の実践映像記録の分析から、日本保育者養成教育学会第2回大会』(2018)
【参考文献】
「遊び保育論」
小川 博久 著
「保育援助論」
小川 博久 著
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