インタビューの概要
「来たるTリーグに向けて」
来たる2018年10月、国内にてワールドクラスの卓球選手が集うTリーグが開幕します。
ファーストシーズンとなる「2018-2019シーズン」で最も上位である「Tプレミアリーグ」へ参入する「日本ペイントホールディングス マレッツ(女子卓球部)」
今年で創設2年目を迎える「日本ペイントホールディングス マレッツ」では、ダートフィッシュをどのように用いてトレーニングに活かしているのでしょうか。
今回はコーチでスポーツアナリストでもある池袋晴彦氏と対談し、日頃の練習環境やダートフィッシュ・ソフトウェアをどう活用いただいているのか伺いました。
本記事はインタビュー形式で、主に池袋晴彦コーチのボイスをお届けします。

こんにちは!ダートフィッシュジャパンのSEOです。
日本ペイントホールディングス マレッツの選手たちは、普段どんな環境で練習しているのでしょうか。トレーニング環境の秘密に迫ります!
池袋さん、今回はよろしくお願いします!

よろしくお願いします!
導入前の課題
「タギング機能をメインで使う予定でしたが…」

ダートフィッシュ・ソフトウェアをどこで知ったのでしょうか?―

もともと私が日本代表で分析をしている時は、別のソフトウェアを使ってタギングをしていましたが、同じ環境に「ダートフィッシュ」も偶然あったんです。当時は周りの方たちがダートフィッシュを使っているという影響もあり、フォームの確認用途等で、たまたま使うことがありました。
タギング…映像の決定的なシーンに対して本の付箋を貼るように、情報を付与すること。

数ある分析ツールの中でダートフィッシュを選んだポイントってありますか?―

今回私が、「日本ペイントホールディングス マレッツ」へ所属が変わったタイミングで分析ツールを検討した際に、以前触れた経験があった事と、予算面を考え、ダートフィッシュ・ソフトウェアの導入が良いのではないかと思いました。

導入されて現在の使い方になるまでのプロセスを教えてください―

あくまで、最初は選手のフォームやゲームを分析するために、タグづけをメインに使うことが多かったです。正直なところ、インジアクションやアナライザーなどの機能は、導入当初は使うつもりはありませんでしたが、いざこれらの機能に触れてみると、かなりトレーニングツールとして使えるなと思い、現在は主に、その場で撮影する「インジアクション機能」、詳細な分析を行う「アナライザー機能」、タグ付けを行う「タギング機能」、そして分析映像のクラウドストリーミング配信や視聴ができる「ダートフィッシュTV」を使っています。

ダートフィッシュを検討している方へ、どんなことを伝えたいですか?―

既に別の解析ソフトを使っていて、別のツールにしたいなと思っている方へ特におすすめしたいですね。その際、「他のソフトの△△機能はダートフィッシュでいうと○○機能です」そういった風に説明し、違いがあればダートフィッシュの実際の使い方や魅力を伝えます。実際にそう質問されることもあります。
一方で、ダートフィッシュを全く知らない人に対しては、タギングとは何か等、普段行っている分析行為やフィードバックの必要性を説明した後に、ダートフィッシュなら高い精度でかつ短時間で分析ができるということを説明します。
使えば使うほどデータベースのように、データが蓄積されていくので、過去の試合や練習の分析を瞬時に引き出すことができます。そういった長期的に活用した時のメリットもお伝えしたいです。
ダートフッッシュの導入効果
「本当に一目瞭然なんです、動きの違いが」

ダートフィッシュを利用するメリットとは?―

インジアクション機能で、トレーニング現場ですぐにフィードバックができることと、2つの動画を同期して2画面表示で比較できるアナライザー機能で、その選手と他の選手とで、フォームの違いは何か確認できるので、かなり助かっています。本当に一目瞭然なんです、動きの違いが。
実際に当部では、卓球台の横にあるモニターにインジアクションの「遅延再生機能」を使って、撮った映像が5秒後に表示するように設定しています。

えっ!卓球台の横にもモニターがあるんですか!?―

はい。全部の卓球台に対してモニターを配備しています。
「今、この瞬間のプレーを分析したい」と思えば、立ち止まってモニターを確認、ここが良かった悪かったと評価し次のプレーに繋げることができます。このように選手たちは見る習慣がつき、効率のよいトレーニングが実現できています。

卓球台の横にモニターがあったら選手は邪魔ではありませんか?―

その点は非常に気を遣い、カメラ位置、モニター位置、分析者の場所を選手のトレーニングに支障ないように徹底して配置しています。
特に卓球台と各機器との距離には配慮しました。近すぎると選手はカメラが気になってしまいますし、離しすぎると分析ができなくなってしまいます。どちらも支障がないよう設置するために、機器とダートフィッシュのPCを接続するUSBケーブルを延長する工夫をしました。
同様に、選手が振り返るためのモニターや、ダートフィッシュを扱う分析者も離し、質の高いフィードバックができつつ、自然にトレーニングができるようにセッティングをしました。
加えて、細かい動きも明確にわかるように、選手用のモニターは大きめにしてあります。

導入前と後で変わったことはありますか?―

トップ選手は「スタンス(足幅)」が狭い。同じように自分たちも「スタンスを狭めよう」と真似して練習をしてみる。
選手は意識してやっているはずなのに、「見た目」が全く変わっていないんです。
ところが、「見た目が変わっていない」とアドバイスをしたところで、当の選手本人たちは意識しながら打っているので自覚がない。
本当にそうなのか、映像を用いて客観的に眺めてみると、初めて変わっていないことに気づく。
こういったケースは特に、映像がなければ分かりにくいですし、もしかしたら選手とコーチとの関係性が悪くなることもあるかもしれません。
ダートフィッシュが導入されたことで、コーチングをする上で必要な情報を補うことができ、コーチングをする立場も、選手も、どちらにとっても互いに同じビジュアルでフィードバックができるので助かっています。

昔はイメージ同士のやり取りのみで、誰かに聞かないといけなかったですよね。でも今日では映像が入ってくれることによって、共通のイメージを持つことができるようになりましたよね。

フォームもそうですが、タグ付けすることによって、自分に合ったプレーに対してもすぐに振り返ることができます。
練習では、上手くできていたプレーが、試合だとできなかった時に、その事実を「言葉だけ」で伝えるよりも、該当するプレーの箇所をタグ情報からすぐに「映像」を見てもらってアドバイスをするのとでは、選手の受け止め方は全然違いますね。

実際に目に見える形があるというのは、コーチングをする上で、非常に重要な情報ということなんですね。
今後の展望
「今後、こういう機能が欲しいです」

今後ダートフィッシュに求めることはありますか?―

もし可能であれば、違うアプリやソフトウェアで計測したトラッキングデータや位置情報、自動計測のデータ等をCSVにうまく変換させ、ダートフィッシュで読み込むことができたらすごくうれしいです。
テレビのスポーツ映像等でみるような多くの情報量が、卓球界の映像でも同様に扱うことができそうな予感はします。その辺が将来的にダートフィッシュとコラボできるといいなと思います。
今後AIで、私が現在手作業でやっている内容の3割くらいは、自動でできるようになるかもしれません。なぜなら、例えば「サーブを構えたらラリーが始まる」ということを人間は認識できるので、おそらく、ある程度機械に学習させたらAIもできるようになり、ダートフィッシュ・ソフトウェアのタグをつける前の状態にしておけば作業は楽になるなと思います。最先端技術の事を考えて話していたら、対チキータ用の投球マシンを思い出しました(笑)
対チキータ用投球マシン…ロンドンオリンピック前に男子卓球でチキータという打法が流行り、再現できるマシンがないか試行錯誤をしていた時期があった。

最後に日本ペイントホールディングスマレッツ様のTリーグ開幕に向けての意気込みを監督の三原孝博さんにも伺いましたのでコメントを掲載します―

日本ペイントマレッツは、初代チャンピオンをを目指し、グループ社員の一体感の醸成、また地域の方々に応援してもらえるように、選手強化をしています。その強化のためにも、ダートフィッシュは必須ツールであると考えています。今後も当社から色々な活用方法を発信していきたいと思います。日本ペイントマレッツの応援、宜しくお願いします!

来たるTリーグに向けて引き続き頑張ってください!この度は対談にご協力いただきありがとうございました!ダートフィッシュ・ジャパンは日本ペイントホールディングスマレッツ様を応援しています。
【日本ペイントホールディングスマレッツについて】
2017年1月から女子卓球部の創設準備を進め、同年4月には初の所属選手となる加藤美優選手(2018年1月現在 女子世界ランキング13位、日本人選手としては5位)を迎え、活動を開始しました。
4月2日~6日に開催された「ITTFチャレンジ・スロベニアオープン」(オトーチェッツ)の女子シングルスで、加藤美優選手は優勝しました。(引用:日本ペイントホールディングス公式サイト)
【監督について】
三原 孝博 (みはら たかひろ)
埼玉工業大学深谷高校(現 正智深谷高校)、大正大学、実業団の卓球部にて選手として活躍。
その後、日本卓球協会女子ナショナルチームコーチ、JOCエリートアカデミー監督などを歴任し、選手育成に従事。
(写真:日本ペイントホールディングス公式サイト)
【コーチについて】
池袋 晴彦 (いけぶくろ はるひこ)
2014年筑波大学大学院人間総合科学研究科スポーツ健康システムマネジメント専攻修了。
2013-2017年公益社団法人日本卓球協会医・科学委員会情報戦略グループに所属し、ロンドンオリンピック、リオデジャネイロオリンピックの男子卓球代表チームに帯同。
(写真:日本ペイントホールディングス公式サイト)

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