ダートフィッシュは、選手の動作やゲーム分析用途でご活用いただいている事例が数多くありますが、今回は公式試合でゲームを支えている「審判員」の教育ツールとして、ソフトウェアを使いこなしている神奈川ハンドボール協会様に取材してきました。
こんにちは。ダートフィッシュ・ジャパンのSEOです。
今回は選手の動作やゲーム分析ではなく、「審判員」の教育ツールとしてダートフィッシュを活用されている方をご紹介します!
本田さん、本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
神奈川県ハンドボール協会では一体どんなことをされているのですか?
神奈川県ハンドボール協会では、一般、大学、高校、中学、小学生の各カテゴリー毎で開催される大会の運営を統括するほか、審判員の教育などを行っています。
現在は男子が171チーム、女子が122チームと全国の中でも、神奈川県は東京や愛知県に並んで競技人口が多いことが特徴です。
小学生から大人まで幅広くカテゴリーがあるのですね!
ダートフィッシュについては、どこで知ったのでしょうか?
国際ハンドボール連盟で国際大会へ行き審判指導を受けた際に、現場でダートフィッシュが使われていました。
ゲーム分析だけでなく、他の審判員が判定している様子を映像でフィーバックする用途でも使われており、便利なツールだと思ったのがきっかけです。
ありがとうございます。
今年で導入されて3年目とのことですが、普段の現場で活用している一連の流れを教えてください。
撮影、タギングで重要なシーンのピックアップ、共有でフィードバックを行う流れで活用しています。
撮影ですが、自前のSONY製ハンディカムで撮影することもあれば各チームが撮った映像を試合後に受け取ることもあります。
その場でライブ撮影をしたり、既に撮影した映像も取り込めるのでその日の条件に合わせているのですね。
いずれの方法でも審判員の評価をすばやく正確に行うために、試合中に「いつ、だれが、どんなプレー・判定をしたのか等」Easy Tagアプリで統計(タグ)をつけています。
Easy Tagアプリですか!スマートフォンやタブレットでは統計だけ集計して、試合後に受け取った映像へ統計を読み込んでいるのですね!
普段ご自身で撮影する場合、カメラはどのように設置されているのですか?
試合中にこのような俯瞰映像を撮影しています。
会場によっては、三脚が設置できない場合もあるので手で持って撮影することも多いです。
この映像は観客席から手持ちで撮影されたのですね。
最近はLogicool社製のwebカメラも使っております。
PCにUSB接続を行うだけで撮影ができ、電源も要らないので非常に便利です。
撮影中、または撮影後にタギング機能を使ってどのような統計を集めているのですか?
タギング:試合中のプレーや行動を時間と共に記録し、統計表示や重要なシーンのピックアップを簡単に行う機能
主に試合中の選手が、押した、引っ張った等どういった行動をしたのか、2名の審判員のうちどちらが出した判定・罰則なのか、その判定が正しかったどうかを映像から確認し統計を出しています。
こちらが実際に私が作成したタギングパネルです。
面白いですね!
「他の審判員に共有するべきシーンかどうか」を分類していますが、最終的にどのように共有をしているのでしょうか。
これは是非共有すべきだ!という重要なシーンすべてを、まとめて動画ファイルとして書き出しを行っています。
映像はできるだけ早く見せたいので時間があれば、その場で見せてフィードバックをしています。
映像を見る立場も、見せる立場も直前の記憶がある方がより効果的なフィードバックができそうですね。
それ以外だと動画共有サイトの限定公開で見てもらうケースや、プロジェクターを用いて投影して解説・フィードバックを行い、正しい判定ができる審判員の教育に役立てています。
ここ最近で審判員同士で話題になるような珍しいプレーや判定はありましたか?
この映像を見てください。
試合残り10秒のシチュエーションです。珍しいケースなのでたくさんの審判員と共有したいです。
映像では、選手が相手の動きを止める行為をしたため試合を中断しました。
再開時にディフェンスの選手は3m離れなければいけないのですが、1-2m程しか離れていなかったので再度中断しています。
通常はイエローカードや2分間退場を出しますが、試合時間が残り30秒を切った場合レッドカード(失格)を出し、7mスロー(サッカーでいうPK)で再開しないといけません。これはここ数年で追加されたルールです。
ところが、審判員が誤って「2分間退場」を出していたので、もう片方の審判員が誤りを指摘し訂正しています。
かなりレアなケースですね。
このルールが追加された経緯は何ですか?
今まではこういった場面では2分間退場の罰則、フリースローで再開していました。 フリースローから僅かな時間で逆転をするのは難しいケースが多く、逆に意図的に戦術として退場し、時間を稼いで勝つチームの姿が話題に上がり現在のルールが追加されました。
なるほど、負けているチームからすれば改善してほしい問題ですね。
ルール追加以降は失格のうえ7mスロー再開なので同点や勝つチャンスが大いにあります。 実はこの映像試合も、最後の最後で7mスローで勝利した珍しいケースでした。
先ほどのような重要なシーンを他の審判員へ共有することで、特殊なケースでも映像を閲覧して具体的にイメージを持ってもらうことができます。
実際にフィードバックの映像を見た審判員の反響はいかがですか?
試合直後にあの時のシーン見たい!というリクエストに対して即再生できることに驚いて感動しています。
あとは審判員目線と客観的に俯瞰で撮影した映像だとイメージが異なるので、感覚と映像から分かる事実との齟齬を確認するために試合直後の映像フィードバックは大いに役立っています。
今後どんな方にダートフィッシュを使っていただきたいですか?
映像を撮影して、統計を取って、何分何秒~何分何秒までが重要なシーンで…手作業で行うと膨大な時間を要しますが、このような作業をダートフィッシュなら簡略化することができます。
さらにその場で映像を見せることで言葉だけで伝えるよりも、説得力があるため審判員の理解度が大きく変わります。
最後に今後の展望を教えてください!
ゲーム分析ではなく「審判員の教育」という用途で映像を使う人は少ないですが、IHF(国際ハンドボール連盟)が重要なシーンをダートフィッシュで共有されるようになってから、日本も徐々に同様の取り組みが増えてきました。
口頭のみならず、やっぱりそうだったのかと映像を見て確信を得ることができるので、このようなフィードバックを行う習慣がもっと広まると良いなと思います。
今後の参考にさせていただきます。
本日はどうもありがとうございました。今後もダートフィッシュ・ジャパンをよろしくお願いします。
【神奈川県ハンドボール協会について】
神奈川県ハンドボール協会は、1948年、神奈川県のハンドボールの普及を目的として設立されました。全国大会優勝や日本代表選手も数多く輩出している強豪校が多数登録している団体です。
【インタビューイー】
本田 昭太 (ほんだ しょうた)
神奈川県ハンドボール協会
審判委員長
日本ハンドボール協会 審判員
国際ハンドボール連盟 審判員
世界各国で特許を取得した高度な映像処理技術と、誰もが直感的に操作できるインターフェイスを採用した映像分析ソフトウェア映像の撮影から分析、そして共有をダートフィッシュ・ソフトウェア1本で可能にします。
動画:myDartfish Pro S ハンドボール活用イメージ
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